東日本大震災で日本企業の“クラウド化”が加速、ビジネス市場に食い込むグーグル

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 グループウエアの市場が伸び悩む中、Google Appsはほんの数年のうちに、世界の顧客数300万件と急成長を遂げている。中には、ゼネラル・エレクトリック(GE)のような巨大企業や、米ワシントン・コロンビア特別区など自治体も含まれる。日本でも上場企業での導入が増えている。

10月に本格稼働させたばかりのカシオ計算機では、オンプレミス型からメールサービスの切り替えに当たり、99.984%という高い稼働率と、1人当たりメール容量25ギガで年間6000円という基本価格に注目して導入を決めた。
 
 導入前に比べ、障害対応をはじめとするシステム管理の人員圧縮を含め、管理運用コストを40%削減できるという。99.984%という数字は、数秒程度の停止が年数回あるというレベル。サーバーメンテナンスの際には、他サーバーにデータを移すため休止時間も不要で、まさに365日24時間稼働が可能となる。

導入に要した時間は、認証システムのオリジナル開発を含めて3カ月と、オンプレミス型導入時の4分の1、立ち上げ人員も半分以下の陣容でグループ5000人分の置き換えが完了した。

「機能の拡張性も魅力」と矢澤篤志・カシオ計算機執行役員業務開発部長は言う。営業・サービス系スタッフ向けのモバイル連携も、当面はメールとカレンダー程度だが、いずれ画像共有や自社のアプリケーションとの連携も取り込んでいく。

戸田建設の場合、より差し迫った事情があった。今年2月、九州の現場事務所が火災に遭い、メールやデータの入ったPCが焼失。その後、東日本大震災でも仙台の現場事務所2カ所で津波の被害によりPCが流失した。
 
 データの個別管理には限界がある。すぐにメールシステムの切り替えの検討を開始し、6月初にGoogle Appsの採用を決定し、8月半ばから切り替えを開始した。

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