【産業天気図・電子部品】情報機器の高機能化や新興国需要の拡大で堅調が続く

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電子部品業界は2005年春からの回復傾向が依然続き、全般に高水準を維持している。先行きを見ても、今上期(特に4~6月)が絶好調だったため、やや伸び悩みの感があるとはいえ、まずまずの好調が期待できそうだ。
 電子情報技術産業協会によると、電子部品のグローバル出荷額は05年3月から最近発表された今年6月まで16カ月連続で対前年比プラス。05年8月以降は、11カ月連続で2ケタの伸び。特に高周波部品が13カ月連続、コネクターが11カ月連続、コンデンサーが8カ月連続して前年比2ケタの伸びとなっている。サッカーワールドカップが終わった7月以降、薄型テレビの受注・出荷軟化から液晶関連を中心に若干の陰りが見られるものの、全体的には高水準が続いていると見てよいだろう。
 代表格として電子部品総合大手の村田製作所を見ると、今上期は絶好調で期中に増額修正したが、下期も上期を若干上回る売り上げと営業利益を見込む。好調の背景には、主要エレクトロニクス機器の拡大や高機能化の進展がある。たとえば携帯電話市場では、先進国で第3世代機やブルートゥース機能搭載タイプなどの高機能端末の需要が拡大。中国・インドなど新興地域でも需要が伸びている。コンピュータ関連ではノート型PCの需要が拡大、自動車電装化の進展も貢献している。加えて、部品単価の値下がりが昨年に比べると緩和している。
 為替は対ドル、対ユーロで会社想定外の円安が続いており、輸出環境は好ましい状況。世界経済も米国の住宅市場を中心に減速気味ながら、総じて堅調を保ち、外部環境はさほど悪化していない。電子部品業界大手7社の『会社四季報』予想(下表参照)では、今期は1社を除いて増収・営業増益の見込み。来期も今のところ全社が増収増益予想だ。

        2006年度(予)        2007年度(予) 
   
京セラ     5.8%増収21.1%増益   2.4%増収 2.4%増益
<6971.東証>
日本電産    8.0%増収21.7%増益   8.6%増収15.4%増益
<6594.東証>
村田製作所  11.0%増収18.0%増益   8.3%増収 8.5%増益
<6981.東証>
ローム     4.4%増収 7.6%増益   1.2%増収 2.0%増益
<6963.東証>
TDK     3.1%増収35.5%増益   4.3%増収14.6%増益
<6762.東証>
日東電工   17.4%増収12.1%増益  11.6%増収20.0%増益
<6988.東証>
アルプス電気  1.1%減収34.0%減益   1.9%増収10.0%増益
<6770.東証>
            (注)増減益率は営業利益ベース、『会社四季報』予想
【中村稔記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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