中韓激突!知られざる「キムチ貿易摩擦」 韓国産キムチは何と中国に輸出できない

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韓国も中国も環太平洋経済連携協定(TPP)に参加していない。中国は財力と国際的な影響力を強みにアジア各国とはもっと小規模な協定を結ぼうとしている。手始めに今年6月、韓国との自由貿易協定(FTA)に署名した。

FTAの下、両国は今後20年間に貿易品目の90%以上について関税を撤廃する。医療機器、電子製品、そしてキムチもその対象となる。韓国の産業通商資源省による推定で両国間の貿易総額は3000億ドルに増大するという。

このFTA署名を中国の習近平国家主席は「一里塚的意義を持つ出来事」、韓国の朴槿恵大統領は「歴史的な転換点」と呼んだと伝えられている。韓国のキムチ産業にとっては勝利を意味したはずだ。

韓国文化の誇り

キムチは韓国で毎日の食卓にのる歴史的な食品という特別な存在だ。その仕込み方にも伝統が息づいている。

毎年、韓国ヤクルト社による恒例の慈善行事として、ソウル市庁前のソウル広場でキムチを漬け込むためにヤクルトレディーが大集合する。昨年は11月に赤いエプロン姿の1300人が手際よくリズムに合わせて漬け込んでいた。一昨年は2635人の女性が集まり、最多人数で同時にキムチを漬けたことでギネス世界記録に認定された。

しかし国内各地のキムチ製造工場は依然として中国側の分類変更に悩まされている。中国はキムチを漬物野菜と見なすことにより、韓国からのキムチ輸入を全面的に妨げたのも同然だった。発酵食品のキムチには細菌が多く含まれている。一般的な漬物野菜は滅菌処理をするから細菌の量は少ない。

かつてキムチは韓国から中国へ盛んに輸出され、輸出額は年間数十万ドルに達していた。それが2013年はわずか108ドル、2014年は1万6800ドルへと落ち込んだ。逆に中国から韓国へのキムチ輸出は今や年間数億ドル規模に膨らんでいる。

「キムチは私たちのものなのに危機感を覚える」と韓国の政治家、金榮祿は言う。ほかにも中国の農産品が韓国市場に入り込んで消費者にも国内産品より低い価格で売られるため、韓国の農家は苛立っているという。

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