スポーツバイクのセミオートマ化が進む真意 ヤマハ「MT-09」へ新機構「Y-AMT」搭載を発表
ここでは、ヤマハが開催したメディア向けオンライン会見に参加し、新開発のY-AMTをはじめ、搭載モデルMT-09 Y-AMTの概要について取材。それらの内容を紹介するとともに、他メーカーの動向も踏まえ、スポーツバイクのセミオートマ化が今後のトレンドとなるのかなどについて検証する。
ヤマハが発表した自動化MTの新機構「Y-AMT」の概要
Y-AMTは、2024年6月に欧州で先行発表、国内では今回が正式発表となる。主な特徴を以下に紹介しよう。
一般的にバイクのMT車は、左手によるクラッチ操作と、左足によるシフト操作によってシフトチェンジを行う。対してY-AMTは、これらのアクションをアクチュエーター(電動モーターを使った駆動装置)が担当。人による操作なしで、自動的にギアチェンジを可能とするシステムだ。
主な仕組みは、ECU(エンジンの制御を司るエンジンコントロールユニット)とMCU(アクチュエーターの制御を司るモーターコントロールユニット)が通信で連携。ECUは、シフトアップ時のエンジン点火/噴射、シフトダウン時の電子制御スロットルなどをコントロール。MCUは、ECUからの情報をもとに、最適なシフト操作・クラッチ操作をアクチュエーターに指示し、ギアチェンジを自動で行う。
しかも前述のとおり、シフトレバーで手動操作する「MTモード」と、変速を完全自動化する「ATモード」の両方を搭載。モードの変更は、ハンドルのスイッチボックスに備えた切替ボタンで行う。
MTモードでは、左ハンドルにあるシフトレバーで変速操作を実施。「+」レバーを人さし指で引けばシフトアップ、「-」レバーを親指で押せばシフトダウンする。また、スポーツ走行で素早く減速する際などは、親指も使ってハンドルグリップをしっかりとホールドすることも多い。そうしたシーンでは、「+」レバーと人さし指のみの操作も可能で、引けばシフトアップ、外側に弾けばシフトダウンとなる。
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