「自分の時間がない」ミドル層が孤独を感じる瞬間 "努力"と"報酬"の不均衡が心をへし折る

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報酬には、金銭的なものだけでなく、「自分のやったことには価値があるという実感」や「自分がなにかに影響を与えているという実感」といった心理的な報酬もふくまれることがポイントです。

しかし、報酬を限定的にしかとらえられない人もいます。そうなると、報酬の量が自然と少なくなって、疲弊してしまうことが増えます。

たとえば、「自分にとっての報酬とは給料やボーナス、昇進だけだ」と考えてしまうと、どんなに相手から感謝されたり、ためになる経験をしたりしても、給料や昇進が思い通りにいかないと「こんなにやっているのに」と考えてしまうでしょう。

逆に、報酬をさまざまなかたちで受けとれると、たとえ自分が差し出す努力が大きくてもバランスをとりやすくなって疲弊しにくいのです。

「自分のやったことには価値があるという実感」や「自分がなにかに影響を与えているという実感」をわかりやすくいうと、自分で自分を「認める」「ほめる」「ねぎらう」といったことになります。

自分を無視されると「怒り」の感情がわく

もう1つのポイントの「怒り」の感情の本質は、自分の存在や働き、能力などを認めてくれないことへの不満です。 

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自分がどんなに時間や労力を使っても、相手がそれにあぐらをかいて感謝の言葉すらない、評価の対象にもならない、上司が自分の仕事をまったく把握していない。

そういったことが常態化している職場では、自分という存在が無視されているわけなので、当然、傷つきます。それが積み重なって「怒り」の感情になるのです。

「怒り」は、最も自分を消耗させる感情です。仕事への意欲が低下したり、ネガティブ思考になったりと、いいことはなにもありません。

だからこそ、①自分に「報酬」を与えて、②「怒り」の感情に支配されないために、自分で自分を「認める」「ほめる」「ねぎらう」といったことが大切なのです。

佐藤 恵美 メンタルサポート&コンサル沖縄代表

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さとう えみ / Emi Satoh

メンタルサポート&コンサル沖縄代表、精神保健福祉士、公認心理師、キャリアコンサルタント、臨床発達心理士。20年間で1万人以上の相談実績がある、労働者メンタルヘルスの専門家。北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学修了。医科学修士。日本産業精神保健学会理事。埼玉県内の精神科単科病院医療相談室、東京都内の医療法人社団弘冨会神田東クリニック副院長、同法人MPSセンター副センター長を経て、2020年に「メンタルサポート&コンサル沖縄」を設立。現在、沖縄在住。県内外の企業や官公庁に対して、さまざまなメンタルヘルスサービスを提供し、年間500人以上にカウンセリングを行なっている。著書に『もし部下が発達障害だったら』『「判断するのが怖い」あなたへ』(以上、ディスカヴァー携書)などがある。

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