「自分の時間がない」ミドル層が孤独を感じる瞬間 "努力"と"報酬"の不均衡が心をへし折る

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もちろん、ミドル世代の仕事や子育てには、充実感や達成感があるなど、いい面もたくさんあるはずなのですが、想定外の「つっかかり」があると、ふとした瞬間に徒労感や孤独感を覚えることがあります。

想定外の「つっかかり」とは、たとえば職場では、「上司がOKしてくれると思っていたのに予想外にNOと言われた」「部下から思わぬ反発を受けた」「お客さんとのあいだで予期せぬトラブルが起きた」といったことです。

家庭では、「朝、子どもが起きられなくて遅刻した」「子どものテストの結果がとんでもなく悪かった」などです。

些細なこともふくめて、思うような結果が出なかったり、自分が予想していた流れをさまたげられたりすると、「自分はなにをやっているんだろう……」「すべて無駄だったのかな……」「もう嫌になる……」とイライラのスイッチが入って、ネガティブモードにおちいってしまいます。

忙しくても「報酬」があるとがんばれる

ただ、どんなにやることが多くて日々が忙しくても、なにかしらの「報酬」があれば心のバランスをとりやすくなります。たとえば、次のようなことです。

■がんばってきたことを上司に認めてもらえた
■自分がたずさわった商品が予想以上に売れた
■自分が納得いく成果物ができた
■お客さんにとても喜ばれた
■部下たちが誕生日に寄せ書きをくれた
■子どもの成績が上がった
■子どもが先生にほめられた
■夕食を家族が「おいしい」と言って食べてくれた

どれも、ものすごく特別なことというわけではないのですが、こういった報酬がない、もしくは、あったとしてもそれを受けとめるだけの心の余裕がすでになくなっていると、負のスパイラルがはじまっています。

職場でフォローする立場にある人が疲弊する典型的なパターンには、次の2つの共通点があります。

①「報酬」というエネルギーチャージがない
②「怒り」の感情で消耗している

「なんで私ばっかり⁉」と自分だけ損している気持ちになるときというのは、努力と報酬のバランスが悪いといえるわけです。

あたりまえのことですが、自分が差し出しているものよりも、もらえるものが少なければストレスを感じるのです。

これを心理学用語で「努力―報酬不均衡モデル」といったりします。

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