円高是正を急がなければ中部地方の空洞化は加速する--中部経済連合会会長 三田敏雄

円高是正を急がなければ中部地方の空洞化は加速する--中部経済連合会会長 三田敏雄

東日本大震災は、製造業の一大集積地である中部地方を大きく揺さぶった。部品不足による自動車産業の生産停止に加え、菅直人・前首相の要請で中部電力浜岡原子力発電所の運転がストップ。その後に自動車のサプライチェーンは前倒しで復旧、夏場の電力不足も節電で乗り切ったが、円高などの難題がなお山積みだ。三田敏雄・中部経済連合会会長に、今後の展望を聞いた。

--円高、電力不足など日本経済は大きな逆風に見舞われています。中でも愛知県をはじめとする中部圏には自動車関連産業が集積しており、大きな影響を受けています。

喫緊の課題は、何といっても行き過ぎた円高の是正だ。この地方にはモノづくり、輸出を中心にやってきている会社が多いので、政府、日本銀行には何とか今の異常な円高を解消する方向に持っていってほしい。欧州、米国の経済情勢が為替に影響しているため、一国の取り組みだけではなかなか難しいのはわかっている。しかし、それでも政府と日銀が一体となって、打てる対策についてはどんどん打ってほしい。

年初は1ドル=80円台だったものが、今は1割近く円高になっている。企業はいっそうのコストダウンで国内生産を維持しようと努力しているが、このままでは、ますます生産拠点の海外シフトが進む。

1ドル=110円台でもいいのではないかと思うが、まあ90円台くらいが適正だろう。製造拠点や調達先が海外へシフトしていく、負のスパイラルを断ち切らなければならない。

製造業だけではない。小売業も、国内から仕入れるのをやめて安いものを外国から買ったほうがいい、となる。製造業だけでなく流通業も含め、完全に空洞化してしまう。これはすでに動きだしていることで、対策を急ぐ必要がある。
この夏は乗り切ったが冬場も電力不足は続く 

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