「500万円の借金」抱えた男が結婚するまでの軌跡 若い頃は「結婚できなかった2人」の最強の相性

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婚活をしている男女から、「病気や借金、親の介護などのネガティブな条件をいつ切り出すか」について相談されることは少なくない。お見合いや仮交際の時点では話す必要がないと筆者は思っている。好きでもない相手の弱点は許容しにくいからだ。ただし、婚約してからの告白ではだまされたような気持ちになりかねない。真一さんと弘子さんのように、付き合い(婚活用語では真剣交際)を始める直前がベストタイミングだと思う。

真一さんは借金を完済したらすぐに婚約指輪を買ってプロポーズすることを決めていた。その思惑を弘子さんに伝えることはしなかったが、弘子さんのほうは「全面的に信頼しているアキちゃんが紹介してくれた人だから、信じてひたすら待っていました」と淡々と述べる。

「指輪をもらったときは嬉しかったです。ビックリして言葉を失ってしまいましたけど……」

毎日の幸せを手に入れた

結婚後、それぞれに「人生で今が一番幸せ」と感じているようだ。一人暮らしが長かった真一さんは仕事から夜遅くに帰って来ても弘子さんが電灯をつけて待ってくれていることが嬉しい。

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「店が忙しい時期は夜中の12時頃になることもあります。それでも起きていて『おかえり』と言ってくれて、軽い食事を出してくれます。僕は毎日何百食も作っているので、自分の料理はできるだけ食べたくありません(笑)。妻の料理は何でも美味しいですよ」

子どもがいない分だけ弘子さんに愛情を注いでいるという真一さん。弘子さんもそれを実感している。

「どんな些細なことでも私の意見を優先してくれています」

共通の趣味はゲーム。テレビゲームに興じることもあれば、2人でゲームセンターに出かけてクレーンゲームでお菓子を狙ったりもしている。

若い頃には強迫観念に近い夢や目標を持っていたりするものだ。真一さんの場合は「自分の店を構える」、弘子さんは「自活する」だった。しかし、そんな目標達成よりも大事なのは周囲の人と支え合って毎日を幸せに過ごすことではないだろうか。

真一さんは経営者から頼りにされる店長として精を出し、弘子さんは専業主婦として家庭を明るくしている。真一さんと弘子さんの縁をつないでくれた「アキちゃん」夫婦も目を細めていることだろう。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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