電産・永守氏もホレた「ハプティック」とは? 「これは"第2のHDD用モーター"になる」
「ハプティックは今後“第2のHDD用モーター”になる。技術的に難しいところにいくほど、うちの出番だ」
7月22日に開かれた、日本電産の2015年度第1四半期(4~6月期)の決算説明会。永守重信・会長兼社長は同社の躍進を支えてきたHDD用の小型精密モーターを引き合いに出し、新分野に対する期待を語った。
2015年度は順調な滑り出しだった。同日発表した第1四半期の売上高は前年同期比18.7%増の2850億円、営業利益は同24.1%増の310億円。精密小型モーターと車載向けモーターが総じて好調だったことに加え、今年2月に買収が完了したドイツのポンプメーカー、GPM社を連結したことが収益を押し上げた。
好決算を受けて「通期業績の上方修正も考えた」(永守社長)が、今回はあえてそうしなかったという。今後マイナス要因が発生しそうなので上方修正を控えたわけではない。むしろ逆。第2四半期以降、急激に拡大していくであろうハプティック向けモーターの伸び幅をしっかりと見極めてから、改めて修正したいという考えからだ。
一度は下火になった分野
ハプティックとは、振動によってザラザラ感やクリック感など、さまざまな感覚を再現する技術で、「触覚技術」とも呼ばれる。たとえば、ゲーム機のコントローラーが操作に応じて振動するのも、広い意味でのハプティックといえる。現在、応用が期待されているのはスマートフォン分野。液晶画面上のボタンや凹凸を触ったときに、あたかも実態があるような触感を得られるようになる。
永守氏も「このようなマーケットが出てくるとは想定していなかった」と言うほどに突然出てきたハプティック。だが、電子機器の分析会社、フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズの柏尾南壮氏は「実は、一度下火になった分野」と説明する。
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