震災仮設住宅の住環境改善で、宮城県の取り組み遅れが鮮明

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震災仮設住宅の住環境改善で、宮城県の取り組み遅れが鮮明

東日本大震災で建設された仮設住宅に関して、岩手、宮城、福島の被災3県の間で住環境に大きな格差があることが、厚生労働省の調べで明らかになった。9月30日に開催された「第2回応急仮設住宅の居住環境等に関するプロジェクトチーム(PT)」でその実態が報告されたが、とりわけ暑さ寒さ対策への取り組み格差が鮮明になった。

厚労省は仮設住宅を設置している都道府県のうち、被害が大きかった岩手、宮城、福島3県で仮設住宅が建設されている全市町村(50市町村)を対象にアンケート調査を実施。全50市町村からすべての仮設住宅団地について回答を得た(集計結果は下記の表を参照)。

その結果、「雨、風よけのための風除室の設置」「暑さ寒さ対策としての断熱材追加」「窓の二重ガラス化」などの実施(および実施見込み)で、3県の間に著しい取り組み格差があることが判明。宮城県ではこれらの項目で、ほとんど手付かずであることが明らかになった。

PT会合では平野達男復興対策担当相が「仮設住宅整備はそもそも県の事業。きちんと実情を把握して主体的に対応してもらわないと困る」と宮城県の対応に苦言を呈した。

アンケート調査結果(表参照)によれば、風除室(下写真)は福島県内の仮設住宅の大半に設置されている一方、宮城県では設置はわずか1%強にとどまる。
 
 断熱材の追加についても岩手県が震災後早い時期から実施を進めてきた一方、宮城県は取り組み自体が皆無(なお、宮城県によれば、壁面については標準仕様のままである一方、天井および床の断熱材は当初から追加で仕様に盛り込んでいた)。福島県では「会津地方に建設した仮設住宅については、当初から寒冷地仕様の断熱材対策を実施してきた」(建築住宅課)と説明する。


■玄関に風除室が設置されていないタイプ(宮城県石巻市)


■風除室が設置されているタイプ
(福島県富岡町の住民が住む仮設住宅=福島県郡山市)

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