【産業天気図・外食】景気回復を追い風にようやく底固め。企業買収は一層加速へ
外食産業の06年度は、上期は「曇り」だが、下期は「晴れ」に改善する見通しだ。
外食産業の市場は1997年のピーク以後、右肩下がりの状態が続いている。06年度も業界全体の急速な回復までは見込めそうにない。ただ昨今の景気回復基調、デフレ脱却基調は産業全体にとって大きなプラス要因。実際、「デフレの象徴」とされてきた日本マクドナルドホールディングス<2702.JQ>は今春に一部値上げを実施したが、その結果、既存店売上高は前年比で大幅増となるなど、客単価の減少にはようやく歯止めがかかりそうだ。
個別企業の動向を見てもそれは明らかだ。先日、MBOを発表した外食最大手のすかいらーく<8180.東証>は、利益の過半を稼ぎ出す低価格レストラン「ガスト」でのドリンクバー値上げが奏功し、既存店売上高も2.5%計画。牛丼最大手の吉野家ディー・アンド・シー<9861.東証>も米国産牛肉の輸入再開を前提に下期から牛丼を再開。既存店は前期比12.5%増と復活を見込む。
また「すき家」のゼンショー<7550.東証>、「甘太郎」のコロワイド<7616.東証>、「牛角」のレックス・ホールディングス<2688.ジャスダック>などを軸に、今期も企業買収が吹き荒れそうだ。
【風間直樹記者】
(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部
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