「休まなすぎ上司」と「休みすぎ部下」に必要な視点 休暇制度が整っていても「休めない」人がいる
上司が休まない、休めない一番の理由は「リーダーシップの誤解」にあると私は考えている。
リーダーシップについて誤解している人は、過剰な責任感を持っている。部下が成長できないのは自分の責任だと思い込み、ひどい場合は自分がその不足分を補おうとするのだ。しかし、これは根本的な誤解である。
リーダーの役割は、その名の通り部下をリードすること。部下を信頼し、成長を促すことにある。部下が失敗することも含めて、成長の一部だ。しかし過剰な責任感を持つ上司は、部下に任せることができず、すべての業務を自分でこなそうとする。
このようなアプローチは、部下の成長を妨げるだけでなく、上司自身の負荷を増やし、結果としてチーム全体の効率を低下させる。すると、余計にリーダーは休めなくなるという悪循環が起きる。
マネジメントの誤解とは?
「マネジメントの誤解」も、リーダーシップの誤解とよく似ている。マネジメントの言葉の定義を、多くの人が間違えているからこそ起こる悲劇とも言える。
そもそもマネジメントは、自分でやることだ。マネジメントを他人に任せていいのは、芸能人か経営者ぐらいである。
マネジメントとは、リソースを効果効率的に配分すること。タイムマネジメント、リスクマネジメント、コストマネジメント(原価管理)とも言うように、適切に調整することを指す。
部下はタレントではない。部下のリソースの調整まで上司がやろうとしたら、いつまで経ってもマネジメントスキルが上がらない。上司も自分のリソースを余計に使うはめになり、休まらないだろう。
最後に「プライベートの問題」だ。20代ならともかく、30代後半から40代にかけて、育児や親の介護、地域社会との関わりなど、仕事以外の責任が増える。常に気が休まらない状況が続く。この年代の上司は、仕事においても効率を上げることが難しく、疲れがどんどんたまってしまう。
意識やスキル、エネルギー、時間、そういったリソースは無限にあるわけではない。子どものことが心配。親の面倒でストレスがかかっている。そんな状態で、複雑な組織の問題に直面しているならば、当然休まらないだろう。
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