浦和レッズ、売上高100億円突破後の次の一手 田口誠社長が見据える経営戦略と将来ビジョン

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「100億円突破の背景を分析すると、まず2023年はチーム成績がついてきた。それが大きなプラス要因になっています。まずAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で3度目のアジア制覇を達成。年末にサウジアラビアで行われたFIFAクラブワールドカップ(FCWC)にも参戦し、4位という成績を収めました。

国内タイトルは取れなかったものの、シーズン終盤まで優勝争いに加わってのリーグ4位、YBCルヴァンカップ準優勝、天皇杯16強という結果になり、総額で約9億円の賞金を手にできたことも大きかったと思います」と田口社長は語る。

成績が良ければ、それに伴って入場者数が増加し、グッズ販売も増える。2023年の浦和のリーグ戦総入場者数は51万8648人、1試合平均では3万0509人を記録した。

浦和レッズ
2023年に売上高100億円超を達成した田口誠・浦和レッズ社長(筆者撮影)

熱心な固定ファンの支え

ホームスタジアムである約6万人収容の埼玉スタジアムが芝生の張り替え工事の影響で使用できず、収容人員約2万人の浦和駒場スタジアムでシーズン開幕戦を含む2試合を開催。さらにACL出場の影響でホームゲーム17試合のうち7試合を平日に開催せざるをえないという集客面で非常に厳しい条件下で、リーグトップの数字を達成したのは意味がある。埼スタでの週末開催試合の入場者数は平均4万人を超えているのも特筆すべき点だ。

過去の記録を紐解くと、元日本代表の長谷部誠(フランクフルトU-21コーチ)や田中マルクス闘莉王、阿部勇樹(浦和ユースコーチ)ら屈指のタレントを擁した2008年に1試合平均4万7609人という驚異的な記録を残しているが、コロナ禍後ということを考えれば悪くない数字と言っていい。

しかも、シーズンチケット保有者は2万人超いて、更新率が毎年95%を超えている。15年以上の継続者も1万以上おり、熱心な固定客に支えられているかがよくわかる。

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