浦和レッズ、売上高100億円突破後の次の一手 田口誠社長が見据える経営戦略と将来ビジョン

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

前身の三菱重工業時代にDFとして活躍した田口社長のレッズ愛は非常に強い。少しでも経営面にプラスになることを探すべく、今年2月には「成長推進室」を設置。物事を迅速かつ的確に動かせるように仕向けたという。

「今、レッズには契約スタッフを含めると約200人が働いていて、複数の部署がある。何かアクションを起こそうとすると、少し時間がかかる印象を持っていました。そこで、社長直轄のこの組織を立ち上げ、清水稔副社長を中心に、中長期的な方向性を探っているところです。

クラブ内には『フットボール委員会』というのもあって、トップチームとアカデミーの現状把握や課題整理を進めています。毎回白熱したディスカッションが繰り広げられている。みんなクラブをよくしたいという情熱に満ち溢れていますね」と田口社長は感心する。

地域密着のための施策作り

当面の経営的な課題をいくつか挙げると、まずは地域密着の強化。少子化の時代にあって、クラブの本拠地・さいたま市は人口増に転じている数少ない地域。特に埼玉スタジアムのある美園地区は住宅や学校が次々と建設され、若いファミリーも増えている。

「コロナ禍があって、特に20代以下の若い世代にとってはスポーツなどのリアル体験が不足していると感じています。そういう人々に身近な埼スタに足を運んでいただき、サッカーやレッズの魅力を感じ、ファンになっていただきたい。安全・快適で熱気ある満員のスタジアム作りの実現に向けて、可能な施策を出し合っているところです。

我々は埼玉県と一緒に埼スタの指定管理者に名を連ねていることもあり、試合日はもちろんのこと、試合開催日以外にも埼スタを楽しんでいただける試みを模索しています。

今年も4月には『パンのフェス』を開催。秋にはオータムフェスを実施する予定。5月には指定管理事業ではないですが、たくさんの働く自動車と大型遊具を設置して子供たちに楽しんでもらえる仕掛けも作りました。埼スタ発信で美園地区に賑わいを作り出すことが大事だと思います」

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事