シャープ「ガラパゴス」の顛末、わずか10カ月で軌道修正

拡大
縮小


 「これは問題ですよ、本当に」。

強気だったシャープの片山幹雄社長もついに6月、報道陣の前でガラパゴスの不調を認めた。翌月には基本ソフト(OS)を自社開発から、多様なアプリが利用できる米グーグル「アンドロイド」へと変更。専用端末から多機能端末路線へと舵を切りテコ入れを図ったが、厳しい状況は変えられなかった。

「まだガラパゴス事業から撤退するわけではない」。シャープはそう強調する。カルチュア・コンビニエンス・クラブとの提携は途切れたが、独自でコンテンツ配信事業の品ぞろえを強化する。多機能性を全面に打ち出した新機種の投入も予定しているが、競合は多い。

アップルを見習い、ハードからサービスまで一貫提供するという当初の理念が消えた、「ガラパゴス」。その存在意義が今、問われている。

シャープの業績予想、会社概要はこちら

[+画面クリックで詳細チャートを表示 <会員登録(無料)が必要です>]


(本誌:西澤佑介 撮影:大澤 誠 =週刊東洋経済2011年10月1日号、一部加筆)

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT