合気道の技で実感、身体能力を上げる心の使い方 強い力は不要、コツをつかめば誰でもできる

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どうしても抵抗してしまう場合は、腕の下側の筋肉が腕を支えている(腕の最下部に重みがかかっている)ことに意識を集中してみてください。

人間は2つのことを同時には考えられないので、腕の下の筋肉に意識を集中させていると、「相手に抵抗しなければいけない」という気持ちがなくなります。これこそが「本当のリラックス」であり、最も力を発揮できる状態です。

心で体をコントロールできるようになれば、“力み”をなくして、本当の意味でのリラックス状態を意識的に作れるようになります。

同じ力でも受ける感覚が変わってくる

うまくできなかった方は、「腕を前に出している様子を心でイメージしてから、実際にそのように腕を前に出す」のあと、一度腕を下ろしてリラックスしてからもう一度腕を前に出してみてください。この動作を1つ加えるだけでうまくできるようになることもあります。

また、女性の場合は、例えば相手が強い男性だと、相手が力いっぱい自分の腕を曲げてこようとすると、どうしても緊張してしまうと思います。

やはり「力を抜いてリラックスしている状態で、力いっぱい曲げてくる相手に対抗できるわけがない」という一般的なイメージ(思い込み)もあるので、緊張して力んでしまうのも無理はありません。

そのような時は、1回目(力いっぱい相手の力に耐えるケース)を「ぎりぎり腕を曲げられてしまう程度の力」にしてもらい、2回目(後者のやり方)の時も、それと同じくらいの力で曲げてくるように力の加減を調節してもらってください。

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同じくらいの力でも、力を受ける感覚が変わり、2回目のほうがより楽に腕を伸ばし続けられると思います。

反対に男性の場合、相手が力の弱い女性だと、単純に力いっぱい腕を伸ばした1回目の状態でも、相手に腕を曲げられることなく耐えられるかもしれません。それでもよく注意すれば、1回目と2回目の身体感覚の違い(相手の力を受ける感覚の変化)は感じられることでしょう。

大切なのは、普段の自分との身体感覚の違い(心を使うことによって体にどのような影響を与えられるのか。「本当のリラックス」状態とはどのようなものか)を感じてもらうことです。

相手に腕を折り曲げられなかったかどうかはあまり重要ではないので、気にする必要はありません。

小川 清史 元陸将/元陸上自衛隊西部方面総監

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おがわ きよし / Kiyoshi Ogawa

昭和35年生まれ。徳島県出身。防衛大学校第26期生、土木工学専攻・陸上自衛隊幹部学校、第36期指揮幕僚課程。米陸軍歩兵学校および指揮幕僚大学留学。主要職歴(自衛隊)レンジャー教官歴4年間、内 主任教官歴3年間。第8普通科連隊長兼米子駐屯地司令、自衛隊東京地方協力本部長、陸上幕僚監部装備部長、第6師団長、陸上自衛隊幹部学校長、西部方面総監(最終補職)。退職時の階級は「陸将」。現在、一般社団法人救国シンクタンク 客員研究員。全国防衛協会連合会 常任理事。

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