日本はソリューションの成長に期待できる、中国に匹敵する成長の可能性も--郡信一郎・デル日本法人新社長
インテルの「エックス86サーバー」もそうだが、まずはミッドマーケットに照準を合わせ、認知度を上げていく中で、大規模ユーザーへの拡張も可能になった。同様のことが可能だと考えている。
実際、汎用コンピュータを数百台並列処理することで、スパコンのような性能を発揮できる。東京大学の素粒子研究にも提供した実績がある。
--バリューチェーンでの変化は表れていますか。
最も早く効果が表れているのがこの部分だ。
在庫を持った即納モデルを導入し、通常1.5週間かかるPC納入期間を、最短2日、遅くても4日以内に納入できる仕組みを作った。
サーバーは通常はそういった即納需要はあまりないが、お客様のところでケーブルをつなぎ組み上げる作業をするのが普通。事前に組み上げて、お客様のところでの作業を最小限にするスタイルを計画中だ。
--アプリケーションなどのソフトウエア戦略は。
最も重要なことは、お客様にとって最も適したソフトが快適に作動できるようなものを作ること、むしろ自前で用意したものを持たないことがメリット、というスタイルを追求したい。もちろん、顧客にとって大きなメリットのある優れた技術があるなら、買収などを検討することも十分にありうる。
--中国という大市場にアジア拠点をシフトする企業も増えています。
確かに中国市場の成長スピードは速く規模も大きいが、ハードが中心。日本ではソリューション分野の伸びに期待ができる。ここをうまく伸ばすことができれば、十分に中国に匹敵する成長が期待できると思っている。
--大きな戦略転換の中で、人材の確保が重要な課題では。
デルには独特の人材育成法があり、「デルスピード」と呼んでいる。PCに始まり、サーバー、ストレージ、ソリューションと事業を広げていく中で、本人が自覚しないうちに大きな変化に対応する力がついている。