日本はソリューションの成長に期待できる、中国に匹敵する成長の可能性も--郡信一郎・デル日本法人新社長
これまでの、PC何台、サーバー何台をいつまでに、という営業から、思考法を転換しなければならない。
--どのように変えていくつもりですか。
まず昨年、グループの全社員向け研修を実施し、デルの戦略と変革の方向を示し、その中で各自がどのように変わらなければならないのかを考える機会を作った。また、営業技術者をデータの保管、サーバーとデータセンター、ネットワーク、ITの活用の4セクターに分け、専門性を高めたうえでチームとして動く形に変えた。
一方で営業は、顧客の要望をきちんと把握し、全体をどう動かすのかを考える指揮者のような役割を担う。こういったスタイルは世界共通だが、特に日本での成長に期待をしている。
ソリューション事業は、現在グローバルで50%にまでなっている。日本でも、何かあればデルに相談しよう、と思っていただける、信頼されるITアドバイザーになりたい。
--PC事業強化との両輪で、顧客を囲い込む作戦ですか。
われわれは「囲い込み」はしない。オープン&シンプルの考え方はここでも生きている。
デルはワールドワイドでのベースモデルは統一しているが、顧客のニーズは統一できない。同じ材料でも日本のお客様に味わいやすくする工夫は必要。スマートフォンやタブレットPCなども、デルは世界で10種類を出しているが、すべての機種をすべての地域に提供しているわけではない。地域の需要に合った製品を展開している。
モバイル系製品では、日本で初めてのモデルを提案し、世界に展開していきたい。
--顧客のターゲットは。
デルは、27年前にPCの製造販売を始めて以来、ずっとオープン&シンプルを提言してきた。現在でもこの精神は生きていて、もはやDNAと言ってもいい。このDNAに最もフィットするのが、われわれがミッドマーケットと呼んでいる中堅企業だ。