晴海フラッグ「投資目的で住宅ローン」の"悪質性" 「居住実態なしが3割以上」違法な契約がバレたら?
それに加えて、融資申込みのために必要となる偽造書類の作成に使用されることを認識しながら関係書類を提供すれば、私文書偽造・同行使罪(同159・161条)も問題になると考えられます。
どうしても住み続けられない事情が発生したら?
――たとえば親の介護で実家に戻ったり、遠方への転勤で住み続けられなくなる事情が発生し、一時的に賃貸に出したいという場合は居住しなくても許されるのでしょうか。
前述のとおり、「フラット35」を初めとする住宅ローンは、自己又はその親族の居住の用に供するための住宅の建設、取得等のための貸付けですから、事情変更があったにせよ、途中から、賃貸の用に供することはできず、仮に、賃貸の用に供するのであれば、不動産投資ローン等に借り換えすることになるのが原則です。
しかし、転勤は、自らの意思によるものでないことが多いでしょうし、しかも、数年後にはまた異動になることが見込まれている場合がほとんどでしょう。このような短い期間さえ、賃貸できないとすると、自宅の住宅ローンの返済や固定資産税の負担と、転勤先の賃料の負担とで住居費を二重に負担することになって酷です。
そこで、転勤の間に限った短期間の賃貸(このような賃貸のことをリロケーションということもあります)が認められないかが問題となります。
この点、機構では、「フラット35」を初めとする住宅ローンについて、転勤等の事情がなくなったときは元の自宅に居住すること、及び融資を実行した金融機関において、あらかじめ、一定の手続きをすることを条件に、例外的に、リロケーション物件の賃貸を認めています。それに対して、「フラット」シリーズ以外の民間の金融機関の住宅ローンの場合には、各金融機関との間の契約や金融機関内部の事務取扱によって対応が変わってきますので、各金融機関に相談されるとよいでしょう。
いずれの場合も、リロケーション物件として賃貸する前に、一定の手続きをとった上で行わないと、投資用物件への用途転換とみなされて、前述の全額繰上償還請求を受けることになりかねませんから、その点には、十分注意が必要です。
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