電波不足に焦るソフトバンク、スマートフォン増えいよいよ正念場
それでも踏み切るのは「トラフィック(通信量)の急増でそうとう苦しく、(900メガヘルツ帯で)一刻も早く電波を出したいという意向のためだ」(前出の工事会社幹部)。
近年絶好調のソフトバンクを牽引してきたのが、アップルの「iPhone」。だが、同端末は従来型携帯に比べ、約10倍の通信量を生む。孫正義社長は7月末の決算会見で「スマートフォン比率を圧倒的に高めた結果、通信がつながらない事態が他社より先に顕在化している」と苦しい台所事情を吐露。設備投資が急務であることを認める。
900メガヘルツ帯は来年7月から利用が許可される。同社としては、解禁と同時に電波を飛ばし、負荷が大きい現在の周波数帯からトラフィックを逃がしたい。基地局建設には用地選定や建物所有者との折衝などでも時間がかかるため、見切り発車で始めた、というのが今回の背景だ。
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