「変えなきゃダメ?」ラーメン店を悩ます新札導入 1台約200万円…新札対応自販機の必要性
濃厚な味のスープに小麦の麺を入れたラーメンは、1980年代に日本の経済が軌道に乗ったことで普及し、日本料理に欠かせないものとなった。ラーメン屋は、手軽で満腹感のある食事を求める人々や、ラーメン職人が新しい食材を試しているうちにどんどん増えていった。今では多くの職人がこの料理を完成させることに人生を捧げている。42歳の西谷は17歳でラーメンを作り始めた。
ラーメンは、建設業や工場で働く労働者、サラリーマン、安価な食事を求める学生の間で定番となっている。多くのラーメン屋は駅周辺に集まっており、通勤客を相手にしている。
新紙幣用の自販機は約200万円
ある火曜日の午後、近くの大学の学生たちが西谷さんが運営する9席の店「豪麺MARUKO」に遅い昼食を求めて集まってきた。
ニシタニさんと3人の従業員は1日に約100食を出す。値段はどれも1000円以下だ。一番人気は二郎系のラーメンで、山盛りの野菜と豚の脂の塊が入った麺が、豚と鶏の蒸しスープに浸かっている。最も高価なメニューは大盛りで900円だ。
自動販売機の刷新や、買い替えの費用を負担するために、補助金を出している自治体もあるが、費用の大半は店主の負担となる。自動券売機を販売する東京の企業、エルコムの営業部長は新しい自動券売機は200万円すると言う。
東京でそば屋を営むセリザワヨシヒロさんは、キャッシュレス決済にも対応する新しい機械に1万9000ドル)(約190万円)を費やしたと語った。この金額は、一番人気メニューである野菜と魚介の天ぷらそば6000食以上に相当する。
「どうやって元を取るか、常に考えなければなりません」とセリザワさんは言う。
新紙幣は日本の中小企業の負担となっている。ここ数年、インフレは低水準にとどまっていたが、ここへきて値上げが進行している。一方で景気は低迷したままだ。