「クラウド」が実現する格安の映像配信システム、ベンチャーが開発

「クラウド」が実現する格安の映像配信システム、ベンチャーが開発

東京に拠点を置く社員10人の無線技術ベンチャー、インフォバンクネットワークス(曽我宏紀社長)が低価格の映像配信システムを独自に開発した。独自開発したといっても、汎用の機器やクラウドサービスを組み合わせたもの(写真)。専門家の目から見れば何も新しいことはないかもしれない。

しかし、ビジネスの現場では目新しさがある。大容量バッテリー、ビデオサーバー、モデム、ビデオカメラなどから成り立つこのシステムは1セット40万円程度。大手ベンダーが販売している同一品質の映像配信システムと比べ、ゼロが1つ少ないくらいの安さなのだ。

組み合わせている汎用機器のうち、特長的なのがビデオサーバー。台湾製のボードを用いてシーベル(東京都足立区)が製造したもので、モバイル通信でもコマ落ちの少ない品質の高い映像配信が可能だ。このビデオサーバーを活用し、インフォバンクが映像配信システムとして完成させた。そのため現在、インフォバンク、シーベルの両社がこの映像配信システムを販売している。

単に映像配信をするだけでも遠隔地監視などに利用できるのだが、企業での利用は広がらない。そこでソフトと組み合わせて9月から販売を開始したのが、複数地点での会議を可能にする「ペーパーレス会議システム」だ。

ビデオ会議自体は決して珍しいシステムではない。インフォバンクのシステムの特長は、映し出す資料と映像を完全に同期できる点にある。「通常は別々のサーバーを使って処理し1つの画面に映し出すが、グーグルのサーバーを用いているので、ほぼ確実に同期を取ることができる」と曽我社長は言う。

映像配信システムは、ペーパーレス会議システム以外にもさまざまな用途に応用できる。1つはセキュリティ分野。8月には、メガネ販売店の「メガネ本舗」などを展開するスリーエム(大阪市)に店舗の監視システムとして納品した。店舗映像を一定期間すべて録画しておくことにより、窃盗などの問題が発生した際には証拠映像を警察に提出することが可能だ。

東証マザーズに上場するジェイプロジェクト(名古屋市)は、決算説明会の模様をリアルタイムに配信するシステムとして、インフォバンクの映像配信システムを導入できるかどうか、模索しているところだ。

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