韓国焼酎が最大輸出先の日本で苦戦する理由 2014年の対日輸出は前年比14%も減少
東欧にも進出した。ハイトジンロは2014年8月10日にポーランドの食料輸入・販売企業であるアルコS.Cと酒類の輸出と流通で契約した。同社はこの契約により、ポーランドでチャミスルとハイトなど、ビールと焼酎6製品2万5000本(1本330ミリリットル)を輸出することになった。また、ポーランドの首都・ワルシャワにある約20カ所の大型量販店と小売店での販売も始まった。
ロッテ酒類は12億の人口を持つインド市場への進出に積極的だ。カンチーム長は「すでに進出しているが、これまでのマーケティングが消極的なものだったため、これといった成果が得られていない」と打ち明ける。そのため、「チョウムチョロムの認知度を高めれば、よい成果を得られると思う」と期待する。ハイトジンロも2013年にインドで生産・販売している。同社は「JINRO24」という製品で、インドの酒類輸入専門企業であるABHと輸出・流通契約を結んでいる。
対日輸出額減少で輸出全体も伸び悩む
両者とも市場拡大で東奔西走しているが、悩みもある。最大市場である日本で販売量が減っていることだ。韓国貿易協会によれば、2014年の日本への焼酎輸出額は6780万ドルで前年比14%の減少となった。そのため、輸出全体でも減少傾向となっている。同年の韓国の焼酎輸出額は9951万ドルで、前年比8%減。過去最大となった2004年と比べると24%も減っているのだ。
ハイトジンロのヤン社長は「40~50代の消費はよいが、20~30代の若い層での消費が少なく、輸出が伸び悩んでいる」と言う。また、「人口1人当たりの飲酒量が減っているなど、構造的な要因もある。日本の酒類市場の規模も縮小していると思う」と言う。
日本では数年前から度数が低いリキュール市場が拡大し、関連製品も目について増えた。ロッテ酒類が2012年末にリキュール焼酎を投入したのもそのためだ。現在、アセロラや梅といったフルーツを入れたものが販売されている。ロッテ酒類も焼酎の販売減少で伸び悩んでいるが、リキュール焼酎を投入してからは売り上げが増えている。同社は昨年、日本への輸出額は68億円となり、2013年の63億円より8%増えた。カンチーム長は「爽快な味と負担が少ないアルコール度数をアピールし、20~30代に手にとってもらえるようにしている」と言う。
(韓国『中央日報エコノミスト』2015年7月13日号より) ※『中央日報エコノミスト』は『週刊東洋経済』と提携関係にある韓国有数の経済誌です
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら