無印良品の「冷凍食品」結局どれが売れているのか 「キンパ」だけじゃないこだわりの裏側
郊外型のほうが好調な理由のひとつとしては「陳列スペース」の違いがある。無印の冷凍食品のアイテム数は現在75ほどあり、その豊富なバラエティが特徴であり売りだったりするが、店頭に並べられる数は冷凍ショーケースの大きさ次第になる。その点、郊外の店舗のほうが多数の商品を陳列しやすく、実際、お客が手にとることが多い。
筆者が、無印良品の冷凍食品の売り場に人が少ないと思うのは、日頃、都心の店舗を見ているからであって、地方の店をまわれば、また違った売り場風景が見えてくるのだろう。
「キンパ」がヒットした理由
それでは、実際にはどんな商品が売れているのだろうか。代表的なものとして日向さんがあげるのは、冷食に参入した当時からラインナップされている「キンパ(韓国風のりまき)」だ。
当時、冷凍のり巻きというコンセプトの商品は日本市場にヒット商品がなく、ライバルがいない状態だった。そこに目を付けた無印は、具沢山な見た目が際立つキンパのシリーズを開発して投入。熱烈なユーザーを獲得しているという。
「解凍したとは思えないご飯の質感、といった感想を多くいただきます。また、ご飯に対する具材の割合が多く、ひと口食べた時の満足感が高いといった味のバランスも評価いただいているようです」(日向さん)
単品の「キンパ」の他に「サムギョプサル」「ヤンニョムチキン」といった、キンパと韓国料理をセットにした商品もある。それらも当時から常に売り上げ上位をキープしてきたそうだ。
今年2月には、「キンパ」の具材を約1.5倍に増やして「キンパ プルコギ」とする全面リニューアルを行ったほか、「野菜ナムル」を追加。また、欠品を起こすことがないように製造キャパも改善したという。
キンパ同様に冷凍食品だと思えないという声が多く届いているのが、コロッケだ。衣のサクサク感、ジャガイモのほくほく感が、評価につながっているという。
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