買収や提携にも躊躇せず抗がん剤を第3の柱に--畑中好彦・アステラス製薬社長

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──ジェネリック医薬品を手掛けない、企業買収によって新興国市場に出ていくことはしないという点で、大手製薬企業の中でもフォーカスを絞った戦略が際立っています。

ジェネリックビジネスで勝つにはそうとう思い切った業態転換を図らなければならない。しかし、新薬開発を進めながら、ジェネリックビジネスも進めていくというやり方は、われわれのリソースでは無理だ。新興国での売り上げは伸びていくものの、現在の中期経営計画(10~14年度)では、売上高の10%に届かないレベルにとどまる。新興国では市場の中心はジェネリックであるものの、当社は日米欧と同じく自社製品で市場を開拓していく。

──現中期経営計画では14年度の連結売上高1兆1000億円、連結営業利益2400億円(10年度は各9539億円、1191億円)を掲げています。かなり高いハードルを設定したように見えますが。

今回の中期経営計画は、ベシケアを含む比較的新しい成長製品、および計画期間中に発売が見込まれる製品群を前提に作られている。一方でがん領域については投資が先行することから、保守的に見ている。チャレンジングな計画だが、十分に手の届く目標を設定している。

はたなか・よしひこ
1957年生まれ、54歳。一橋大学経済学部卒。80年藤沢薬品工業入社。アステラス製薬経営企画部長、上席執行役員経営戦略・財務担当を経て、2011年6月社長就任。海外経験も豊富で、米OSI社の買収交渉でも中心的な役割を果たした。

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(聞き手:岡田広行 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2011年9月3日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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