デザインのなかで最も象徴的なのは、FRP(繊維強化プラスチック)を採用したカプセルだ。角のない流線型で、どこか“近未来”を思わせるフォルム。大きさは一般的なカプセルの2割増しで、ゲストからは、「閉塞感がなく、繭のなかにいるような安心感がある」と好評を得ている。
一方、ホテルの間取りや内装は、柱や壁の色や素材に至るまで、各ホテルで異なる演出がなされている。360度を見渡せる最上階のラウンジに、木の温もりが感じられるカフェなど、付帯施設もまちまち。外観も、カプセルホテルでは珍しい一面ガラス張り、キューブを積み上げたような凸凹のあるビルなど、それぞれに独創的だ。
これらのクリエイティブデレクションは、プロダクトデザイナーである柴田文江氏が一手に担う。礎にしているのは同ホテルのコンセプト「1h(汗を洗い流す)+7h(眠る)+1h(身支度)」。カプセルホテルでメインとなる3つの行為を時間に置き換え、シンプルに可視化した概念だ。そこに時代のトレンドの要素を毎回取り入れ、気鋭の建築家とコラボレーションしている。
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