頭の良い子は「単純な計算問題」の解法から違った 「答えを出すだけ」と「さらに工夫する人」の違い

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先ほどの問題の例で言えば、正攻法での解き方ではなく、こうやって「小数と分数の変換」を学んでいれば、応用もできるようになります。

例えば「24×0.375」を計算してくださいと言われたとき、これをそのまま筆算すると計算はとても面倒くさいですよね。ミスをする可能性はかなり高いと思います。

ですが、「0.375」という数字を分数に直してみると話は変わります。これは「3/8」に変換できるので、

24×0.375
=24×3/8
=24÷8×3
=3×3
=9

というふうに、とても簡単な割り算で解くことができるのです。

「答えのない問題」を考えるときにも生きる

数学のような1つの答えが出る学問でこうした「別解を考える思考」をしていると、1つの答えが出ないような場面でも、複数の考え方ができるようになっていきます

それこそ「自分は将来、どんな職業につこうか」なんて問いを考えているとき、答えを出すプロセスも答えそれ自体も、無数に存在しています。「年収で考える」という考え方もあれば、「自分がより楽しいほうを選ぶ」という考え方もあります。

複数の思考プロセスがあってよくて、複数の答えがあっていいのです。別解を考える頭の使い方ができれば、このようにさまざまな問いに対して複数のアプローチで考えることができるようになるのです。

いかがでしょうか? 1つの答え方・1つのアプローチで満足するのではなく、複数の回答の方法、「別解を考える思考」をしている人は、数学以外の分野も含めて必ず頭が良くなっていきます

ぜひ、この思考法を自分の頭にインストールしていただければと思います。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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