今こそ日本とイギリスが関係強化すべき3つの理由 「トランプ2.0」に備え、インド・太平洋地域にも重要

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このように、日本とイギリスはすでに両国が最重要視しているインド太平洋地域の安全保障を強化すべく、「ミドルパワー」としての協力を始めている。

ミドルパワー間の協力

2023年5月のG7広島サミットでは、「強化された日英のグローバルな戦略的パートナーシップに関する広島アコード」が両首脳により締結された。ここでは、安全保障関連のほか、AI、半導体、クリーン・エネルギーなどでの経済連携についても約束されている。

とくにAIや半導体分野では、日本のソフトバンクが、イギリスの半導体大手アーム社の親会社であることから、連携が加速されると思える。

ここまで、日本がイギリスとの関係を同盟レベルまで強化すべき理由について、「両国とも海洋国家であり、インド太平洋地域を最重視」「日本は、国家体制や民主主義をイギリスから学んでおり相互に信頼感がある」「両国ともG7国かつ経済、防衛においてトップ5圏内で、共同すれば世界平和に貢献可能」の3つのファクターを述べた。

岸田首相の2024年4月のアメリカ議会での演説で、トランプ支持者も含めアメリカ共和党の日本への支持が高まったことは、素晴らしいことだが、もう1つの方策としてイギリスと共同し、アメリカに対して一定の発言力、及び牽制力も持つことも必要であろう。

さらに、中国に対しても、日本とイギリス、およびコモンウェルス諸国が連携すれば、牽制力を高めることができる。

岸田首相は5年間の外務大臣としての経験から、世界の要人とのパイプも太く、西側や途上国からの支持は高い。「トランプ2.0」への対応は、ゴルフクラブをプレゼントすることでなく、日本外交が行動しなければならないことは理解しているだろう。

土井 正己 クレアブ代表取締役社長、山形大学客員教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

どい まさみ / Masami Doi

大阪外国語大学(現:大阪大学外国語学部)卒業、2013年までトヨタ自動車に勤務。グローバル・コミュニケーション室長、広報部担当部長を歴任。2014年から「クレアブ」(本部ストックホルム)で、外交関係の官公庁や企業のコンサルタント業務に従事。本部の上級副社長も務める。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事