今こそ日本とイギリスが関係強化すべき3つの理由 「トランプ2.0」に備え、インド・太平洋地域にも重要

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そして2024年、イギリスは再びインド太平洋に帰ってくる。CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への加盟だ。

イギリスは、2016年の国民投票でEUから離脱を決めた。当時ジョンソン首相は、「グローバル・ブリテン」を目指すと宣言している。

それに伴い、イギリス外務省が外交方針を策定し、インド太平洋地域に重点を置くことが明記された。イギリスは2021年にCPTPPへの加盟を申請。2024年後半にも各国の批准を終えて正式加盟となる。

コモンウェルスの存在

やはり、イギリスは海洋国家としての道を選んだということだ。イギリスは「コモンウェルス」(いわゆる「イギリス連邦」)と称するオーストラリアやインドなど旧イギリス領の国家が加盟する国家連合を持つ。

インド太平洋回帰は、これらとの関係強化を図る意図もある。いずれにせよ、この地域を最重視することは、日本と共有している。

2つ目の理由は、日本が、近代において「世界」や「民主主義」というものをイギリスから学び続けてきたという歴史にある。イギリスが日本に大きく影響を与えたのは、幕末から明治にかけての維新期である。

とくに、幕末の長州藩とイギリスとの関係は明治期に大きな影響を与えた。「長州ファイブ」として知られている伊藤博文や井上馨など幕末の長州藩イギリス留学組は、明治の国家体制を作るのにイギリスを参考にした。

伊藤は、岩倉具視を全権大使とする岩倉使節団の副使として、欧米を訪問したときもイギリスに滞在、また、大日本国憲法を作るための調査隊として欧州を歴訪(1882~1883年)したときもイギリスに長く滞在し、イギリスの国家体制をつぶさに研究している。

伊藤は、当初はドイツモデル、そして中長期的にはイギリス型の立憲君主制を目指したのであろうと思える。ところが、伊藤は、志半ばで中国東北部・ハルビンにて暗殺された。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事