愛情を注ぐことと擬人化することは違う--『珍獣病院』を書いた田向健一氏(田園調布動物病院院長)に聞く

──飼い主にはブームに踊らされない心得が必要なようですね。

自分の飼っている動物が本来はどういう生き物なのか、きちんと知ることが大事だ。愛情を注ぐことと擬人化することは違う。人間がやってうれしいことが、動物にとって正しいことかどうかは別問題だ。冷静な目で判断しなければいけない。獣医師などのような科学的なジャッジが必要で、情緒的な部分と科学的な部分を分けて考えないといけない。

もう一つは、ペットは人間より絶対に早く死ぬ。老いていくスピードもはるかに速い。飼い始めから、ペットがいずれ老いて病気になることを考えておく。自分の子どものようだというが、自分の子どもは先に死ぬことはまずない。夢中になって生き物は死ぬことを忘れてしまい、死んだときにうろたえる人があまりに多い。

たむかい・けんいち
1973年生まれ。麻布大学獣医学部獣医学科卒業。幼少時の動物好きが高じて獣医師に。大学時代は探検部に所属し、海外秘境に動物探訪。東京、神奈川の動物病院勤務を経て、開業。ペット動物のほとんどを診療対象とし、魚類から両生爬虫類、哺乳類などまで、100種類以上を診察してきた。

(聞き手・本誌:塚田紀史 撮影:今 祥雄 =週刊東洋経済2011年8月27日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

『珍獣病院』 講談社 1575円 223ページ

  

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