「役職定年」を廃止する日本企業が増えた理由 タイプ別で変わってくる新潮流への適応方法
ところが、年齢の垣根がなくなると、高齢社員にも若手・中堅と同じ働き方をすることが要求されます。引き続き猛烈に働き、成果を出して貢献する、「職場の貴重な戦力」という位置付けになります。
ここで考えなければならないのは、高齢社員の健康格差と資産格差です。若い頃は「健康だが貧乏」という社員が大多数です。ところが、高齢になると、健康を害したり、しっかり資産形成をできていたり、できていなかったりして、次の4タイプに分かれます。
① 健康だが貧乏
② 健康で金持ち
③ 不健康で貧乏
④ 不健康で金持ち
深刻化する人手不足や年金財政難を受けて、いま企業も国も「高齢者はもっと働け!」の大合唱です。しかし、働き方を決めるのは、あくまでも高齢者本人。一般に、タイプごとに次のように考えます。
4タイプ別の選ぶ道
まず、①健康だが貧乏な高齢社員は、企業や国が期待・要望する通り、若い頃と同じように猛烈に働くべきでしょう。というより、猛烈に働いて稼がないと、生きていけません。
一方、金持ちの高齢社員は、企業・国の期待・要望に耳を貸す必要はありません。②健康で金持ちの高齢社員は、仕事が好きなら働けばいいし、嫌いならリタイアします。
④不健康で金持ちの高齢社員は、無理のない範囲で働くのも結構ですが、基本はリタイアします。
問題は、③不健康で貧乏な高齢社員。働けないが働かなければいけないわけで、選択の余地も有効な対策もありません。このタイプの高齢社員には、企業や国が何らかのサポート・対応をする必要があるでしょう。
近年、経済産業省が音頭を取り、先進企業が「健康経営」を推進しています。ただ、「生産性向上」「(若手の)離職率低下」「企業イメージ向上」といった目的で取り組んでいるケースが多く、先進企業ですら不健康な高齢社員への対応は不十分です。
今後、この問題が注目されるようになり、企業・国が本腰で対応を進めることを期待しましょう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら