北朝鮮の金正恩氏にはやはり息子がいないのか 韓国・文在寅前大統領の回顧録からみる家族構成

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

当初、金正恩党総書記には息子がおり、その下に妹がおり、さらにその下に性別不明の子どもがいるとされていた。

しかし、その後、ジュエ氏の上の息子はいないという見方が強まっているが、この文在寅前大統領の「回顧録」は、この見方を裏付けるものだ。

ジュエ氏の下に子どもがいる?

一方、金正恩氏は文在寅前大統領との会談前に会ったポンペオ国務長官については「ご存じのように、私は父親であり、夫だ。私には子どもたちがいる。私の子どもたちが生涯、核を抱えて生きていくのを望まない」と語ったという。

筆者は、これを2019年2月24日付の韓国の全国紙『ハンギョレ』で知った。ワシントン発のファン・ジョンボム特派員の記事であった。

英語も韓国語も単数と複数の区別はするが、ファン記者は、アンドリュー・キム・センター長が「아이들」(子どもたち)と語ったとしている。この発言を見れば、金正恩党総書記には複数の子どもがいるとみられる。

「ジュエ」の下にさらに子どもがいる可能性が高い。文在寅前大統領への発言を信じれば、下の子も娘なのかと思える。今回の「回顧録」を見る限り、金正恩総書記に男の子がいる可能性は下がったように思える。

平井 久志 共同通信客員論説委員

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらいひさし / Hisashi Hirai

1952年香川県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年定年退社。

著書に『ソウル打令――反日と嫌韓の谷間で』(徳間文庫、1998年)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか――金正日破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書、2010年)、『北朝鮮の指導体制と後継――金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫、2011年)、『朝鮮半島 危機から対話へ』(共著、岩波書店、2018年)、『激動の朝鮮半島を読みとく』(共著、慶應義塾大学出版会、2023年)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事