北朝鮮の金正恩氏にはやはり息子がいないのか 韓国・文在寅前大統領の回顧録からみる家族構成

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北朝鮮をそうした見方でだけで対応した結果が、今日の北朝鮮の核・ミサイルの全面的高度化だ。

北朝鮮の核・ミサイル開発は、過去に何度か解決の機会があった。しかし、北朝鮮も国際社会も、合意を生かし、北朝鮮の核・ミサイル開発を抑制する方向に向かわせるのではなく、合意を反故にし、北朝鮮を核・ミサイル開発の方向に向かわせてしまった。

われわれは金正恩党総書記の非核化への発言を逆手に取って、非核化の方向に一歩でも向かわせなくてはならなかった。アメリカのボルトン元大統領補佐官が主張したような、リビア方式による全面的な非核化こそが荒唐無稽なものなのだ。

やはり、息子はいなかったのか?

もう1つ関心を抱いたのは金正恩党総書記に息子がいるのかどうかという問題だ。

文在寅前大統領は「回顧録」で、金正恩党委員長(当時)が板門店会談で「娘の世代まで核を頭に乗せて生活させられない」と語ったとしている。

4月27日の板門店での首脳会談では、南北首脳は午後4時42分から同5時12分までベンチに座り、2人きりで話し込んだ。

筆者は当時、テレビで生出演していたが、このベンチ会談がいつ終わるかわからず、アナウンサーから「何を話しているのですかねえ」などと話を振られ、何と話して時間を持たせればよいのか困った記憶がある。金正恩党総書記の「娘の世代まで核を頭に乗せて生活させられない」という発言はこの時にあったのだろう。

儒教精神が強い北朝鮮で、金正恩党総書記に息子がいれば、「私には息子がいるが」とか「息子の世代まで」とか語っただろう。しかし、金正恩党総書記は「娘の世代まで核を頭に乗せて生活させられない」と語った。

これは注目すべきだ。同じ民族なのだから、文在寅前大統領が聞き間違えをしたとは思えず、「娘の世代まで」と言ったのであれば、金正恩党総書記には息子はいない可能性が高い。

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