オフィスビルは空洞化「外資撤退続く」香港の現在 香港はもはやビジネスのできる都市ではない
「以前は香港株と中国株が区別されていたが、今では両市場が一体化しつつある」と、年金基金などの投資家にグローバル市場へのさまざまな投資方法を提供しているマーケット・ベクトル・インデックスの最高経営責任者(CEO)スティーブン・ショーンフェルドは語る。
マーケット・ベクトルとMSCIなどの同業他社は、香港に上場している中国企業への投資を望まない年金基金の要求に応えなければならなくなっている。
160年の歴史に幕を下ろした法律事務所
法律事務所のメイヤー・ブラウンにとって香港における政治的リスクは2022年、1989年の天安門事件を追悼する記念碑のキャンパスからの撤去をめぐる訴訟で、撤去を主張する香港大学の代理人を辞退したことで明白となった。影響は即座に現れた。
著名な政治家がメイヤー・ブラウンのボイコットを呼びかけたからだ。元香港行政長官の梁振英は「外国の干渉が軍用機や大砲の形だけをとると勘違いしてはならない」と言った。
メイヤー・ブラウンの中国の顧客が1つ、また1つと、同事務所を依頼先リストから外していったと、事務所の内情を直接知る2人の人物が匿名を条件に語った。
メイヤー・ブラウンは5月に香港とのパートナーシップを切り離す計画を発表。わずか数か月前に160年に及ぶ「香港物語」とぶち上げた長い歴史に幕を下ろした。
メイヤー・ブラウンには何度かコメントを求めたが、回答はなかった。