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「嘘の笑顔で自撮りする人」が幸せになれる根拠 ニッコリ笑った自撮りがもたらすスゴイ効果

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さらに、「体が先、脳が後」という順番もポイントになります。このことをご存じでない方は、私たちの体の動作は「脳が体に指令を出して、それを受けて体が動く」という順番で決まっていると思われるかもしれません。

しかし、脳波を調べる技術の進歩などによって、「体が先、脳が後」は近年の科学的な常識となっています。

簡単に言うと、じゃんけんをするとき脳内でグーを出そうと思ってから体がグーの動きをするのではなく、グーを出そうと体が動きはじめてから脳がグーを出そうと思いはじめるイメージです。

嘘でもいいからニコニコするといい

カリフォルニア大学のベンジャミン・リベットらの研究[4]では、脳が「○○しよう」と意識する信号よりも、脳がその動作を体に伝える信号のほうが、平均で0.35秒早いという結果が出ているのです。

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笑うことも同じです。嘘でもいいからニコニコすると、気持ちがアガっていく。なので、「笑顔が苦手」「自撮りが苦手」という方でも、つくり笑顔で自撮りすれば、笑顔と同じ効果が得られると考えられます。

「つくり笑顔自体が無理!」と思う方は、実際に口角が上がるように箸をくわえて、自撮りをしてみるのもいいかもしれません。実際にやってみると分かるのですが、箸をくわえて口角を上げるのは、結構簡単です。自然な笑顔をつくるより楽な人もいるはずですよ。

SNSについての諸研究を踏まえると、SNSに写真や動画をアップするのは、承認欲求にまつわる行動でもあります。みんなが見てくれて「いいね」などの反応をしてくれれば(認めてくれれば)、ハッピーになるわけです。

一方で、チェンらの実験で、「他者を喜ばせるものの写真」の撮影でも幸福度がアップしているのは、利他行動が自分自身をハッピーにするという話と繫がってきます。ただ、SNSのやりすぎには気をつけてください。写真撮影のメリットよりも、SNSのデメリットが大きくなるようでは元も子もありません。

<参考文献>
[1] Chen, Y., Mark, G., & Ali, S. (2016). Promoting positive affect through smartphone photography. Psychology of Well-Being, 6(8), 1-16.
[2] Kraft, T. L, & Pressman, S. D. (2012). Grin and bear it: the influence of manipulated facial expression on the stress response. Psychological Science, 23(11), 1372-8.
[3] James, W.( 1884). What is an emotion? Mind, 9(34), 188-205.
[4] Libet, B., Gleason, C., Wright, E., & Pearl, D. (1983a). Time of conscious intention to act in relation to onset of cerebral activity (readiness potential): The unconscious initiation of a freely voluntary act. Brain, 106, 623–642.

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