商社勤務でも苦しい…23区「億ション」だらけの訳 高騰続くマンション価格が"適正"なカラクリ

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若い読者の方はあまりピンと来ないかもしれませんが、実は私の世代はマンションの価格がこのような値段になる時代を若いころに経験しています。ちょうど私が20代後半の頃にバブル経済がやってきて、その頃は真剣に、「これからは若い世代は家は買えない時代がやってくるよ」と言われていたのです。

私はコンサル会社に勤めていたので同世代よりはやや年収は多かったのですが、それでも住宅ローンは4000万円ぐらいしか組めませんでした。それで買える物件というと23区内は無理で、都下、それも都心から1時間以上通勤でかかるところでないと無理だと言われたものです。

当時、首都圏では中央線の八王子からさらに先、山梨県の上野原市から大月市あたりの、それまでの常識ではとうてい東京への通勤圏内とは思われなかったようなところまで不動産開発が進み、2時間通勤をするサラリーマンが普通に職場にいた時代でもありました。

「これから不動産価格はもっと上がるのだから、無理をしてでも買っておいたほうがいい」という経済評論家によるアドバイスが当然のようにメディアを通じて流れていました。しかし、歴史を見るとそれは間違いで、もう買えないと思ったときがバブル当時の価格のピークでした。

マンションの価格はこの先どうなる?

その後、バブルが崩壊して不動産価格は再び、普通のビジネスパーソンの手に入る価格へと下落します。価格が崩壊した後になって初めて、「当時の価格は実需からかけ離れていた。金融緩和がもたらしたマネーゲームの結果であって、実体を伴う価格ではなかったのだ」と別の経済評論家に説明されたというのが私の世代の実体験です。

それで今さらですが平均のマンション価格が1億2476万円という時代を再び迎えてみて、この価格はこの先どうなるのだろうか?と思うわけです。それを考えるために、まずは過去のマンション価格事情を振り返ってみることにします。

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