商社勤務でも苦しい…23区「億ション」だらけの訳 高騰続くマンション価格が"適正"なカラクリ
それにしても一番ハイエンドな世界は横に置いておいて、そうではない23区の平均的なマンション価格が1億2476万円となると、誰が買うのでしょうか?
平均が1億円を超えるとなると、さぞや部屋も広いのかというとそうでもなく、㎡あたり単価から逆算すればこの1億2476万円のマンションの広さは64.9㎡になります。それほど広くはないマンションがここまで高くなってくると、「自分は買うだろうか?」と疑問が頭をよぎります。
一般に住宅ローンの適正倍率は年収の7倍と言われています。最近ではセールストークなどで「年収の10倍は大丈夫ですよ」とか言われますが、7倍でもかなりの人生のリスクを背負うことになります。そこから逆算すると1億2476万円の物件を買うには年収1782万円以上ないと勇気をもって住宅ローンが組めない計算になります。
三井物産の社員にとっても23区内マンションは高額
日本の普通の大企業で比較的給与水準が高いのが総合商社です。会社四季報によれば総合商社で純利益額トップの三井物産の社員の平均的な給与は42.3歳で1783万円です。これは本当に偶然ですが、今がちょうどギリの水準です。つまり23区内のマンションは三井物産の社員でも平均以下の広さの部屋しかローンが組めなくなった。ここからさらにちょっとでも値上がりすると、物産の社員でも単独では平均の物件は買えなくなるという話です。
ちなみに、やはり平均的な給与が安定して高いという評判がある三井不動産の場合、40.2歳の従業員の平均年収は1269万円です。単純計算では三井不動産の社員は23区内では46㎡の広さのマンションしか買えないことになります。
「このことを三井のすずちゃんはどう考えているの?」
と思いますよね?
ということでこの記事では東京23区の新築マンションの平均価格が1億2476万円という水準になることが経済的に正しいのかどうかを検討してみたいと思います。
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