北大阪急行電鉄「箕面延伸」はこうして実現した 地元待望、大阪メトロ御堂筋線と一体直通運転
新大阪から乗車して、千里中央から箕面萱野への新線区間に入る。トンネルは箱型から単線シールドの円型になり、次の箕面船場阪大前まで続く。千里中央―箕面船場阪大前間1.4km、箕面船場阪大前―箕面萱野間1.1kmと、新線区間は歩けない距離ではないので別途たどってみると、土被りの厚い山中とか既設路線と幾重にも交差する都心地区でもなく、変わらず新御堂筋の下を通っている。昔なら開削工法で上から掘ったであろう。しかし今は地上を工事現場として制約しないために、駅部を除いてはシールドマシンで掘る。そのような時代の違いがトンネル構造に現れている。
当たり前だが、駅も新しくて既存区間とは見違えるほどに美しい。箕面船場阪大前駅のホームは、反物を幾重にも重ねたようなデザインの壁面が特徴だ。その理由は、大阪の「船場」と言えば、淀川の舟運で商業が栄えた大阪中心地の中でも繊維問屋が集積した地。その繊維問屋街が高度成長時代に中心部の過密、狭隘さがネックになったことで郊外移転を図り、「新船場」となったためである。時期はやはり1970年代だ。それからやはり半世紀が過ぎると、街も再び姿を変えて、今は現代的なビルが新御堂筋の両側に立ち並ぶオフィス街である。
山並みを前にした箕面萱野は既成市街地
あたりの地形は千里側から上がって萱野側に下る、ゆるやかな尾根だ。したがって付近は市境となっており、南は豊中市、北は駅名からもわかるように箕面市である。駅に隣接して箕面市の文化施設があり、地下と直結した長いエスカレータで劇場玄関前の歩行者デッキと結ばれている。駅の残工事と並んで大規模に敷地が掘り下げられているのは、タワーマンションの基礎工事であった。劇場や図書館のさらに隣に大阪大学箕面キャンパスがある。
箕面船場阪大前を出ると、最後は地上区間となる。新御堂筋は萱野に向けて下るが、線路は逆に登り続けて道路脇の高架線に上がる。千里中央以南では遠かった箕面の山並みが目の前に迫っている。その山に突き当たる場所に箕面萱野駅はあり、駅と道路を挟んで数棟のショッピングモールが建ち並び、左右をまだ工事中の歩行者デッキが結んでいる。1面2線だが、ホームはフラットに正面の駅舎改札口を経てデッキとショッピングモールにつながっている。高架下にも改札口があり、新御堂筋の側とバスバースを含む交通広場(現在、工事継続中)にアプローチする。
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