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厳戒態勢で発表された「新型フェラーリ」の啓示 車名をズバリ「12チリンドリ=12気筒」とした訳

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「一体型のスポイラーにすると、リアウインドウの意匠を損なってしまううえ、荷室へのアクセスが制限されてしまいます。そこで左右に振り分けました。動きは同時です」

ここで出てきた「リアウインドウの意匠」とは、「デルタ翼」とマンツォーニ氏が表現するもの。デルタ翼とは、「コンコルド」や「サーブ37ビゲン」など、1960年代後半から1970年代にかけての航空機の翼形状のことだ。

車両を上から俯瞰してみるとユニークなウインドウ形状がよくわかる(写真:Ferrari)

「クーペのコクピットに超音速機のイメージを与えようと考えて、デルタ翼を参考に造型しました。同時に、ガラスでこのリアウインドウの形状を作ることで、ドラマチックな印象を作りたかったのです」

さらにマンツォーニ氏は、「フライングブリッジ」について語る。

「フライングブリッジと名付けた、ルーフまで回り込むようなリアクオーターパネルは、ダイナミックな造型にしました。(812スーパーファストより)サイズがコンパクトなので、それをおぎなうのも、デザイナーの仕事だと考えたのです」

マンツォーニ氏は、クーペのデルタ翼型リアウインドウの意匠をとても気に入っているようだ。では、これから出るモデルにもこのデザインテーマが反映されるのだろうか。

スパイダーはふたつの”こぶ”を持つ伝統的なスパイダースタイル(写真:Ferrari)

「いえ。私たちはデジャビュ(既視感)が好きではないのです。一度試したら、次はもうやらない。それがフェラーリのデザインです。フライングブリッジという意匠は、以前のモデルにもありますが、解釈がまったく違います」

「12気筒」と名付けた真意

では12気筒のエンジンはどうだろう。「これが最後の12気筒モデルになるのでは」というメディアもあり、実際に会場では「このモデルがスワンソングか」なる質問も飛びだした。スワンソングとは「最後の作品」という意味で使われる英語の表現だ。

「フェラーリでは、将来のモデルについて語らないことになっています」。マーケティング担当重役のエンリコ・ガリエラ氏は、そう答えた。

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【12気筒を作り続ける技術は持っている】

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