ミアシャイマーは、ウクライナ戦争が起こったころからユーチューブといったネットメディアにさかんに登場してきたが、けっしてマスメディアで評価されることはなかった。
おそらく、それは彼のバック・パッシングといった議論が持つヤブ蛇効果の部分を指摘し、アメリカの好戦的な政府や大手メディアの意向を逆なでしたからであろう。
彼はこう語っている。
ウクライナ戦争が始まって2年が過ぎ、弱いと思ったロシア、そしてその背後にいるアジア、アフリカ諸国の同盟が意外に強いことにアメリカも気づいたはずだ。なぜアメリカは、このことにもっと早く気づかなかったのか。
そして実は今でも、それに気づいていないふしがある。それは長い間君臨してきた覇権国家が陥る慢心でもある。世界は21世紀になって大きく変わってしまったのである。
そして国家を構成する国民にとって不幸なことに、いずれの戦争においても、一度戦争を始めてしまえば始めた側の国家のエリートたちは国民が何人殺されようと停戦へと動きだすことはないということである。
国家は自己保存のために、国民という生き血を絞り出し、わが身を守るということなのである。この不幸な戦争がこのまま続くのだとすれば、これほど絶望的なことはない。
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