ワインを通じて福利厚生や慈善活動、社会問題の解決に貢献--米カリフォルニアワイン生産者団体NVVのリンダ・レイフ会長
たとえば、自然環境を重視した “グリーン・ワイナリー”マネジメント認証プログラムの策定といった、環境に優しい持続可能なワイン造りを推進している。また、新たなワインの造り手やワインのエキスパートを育成するプログラムにも注力してきた。私はトップを務めて16年になるが、その間にワイナリーの加盟数は4倍となり、現在は400にまでなった。
--環境を考慮したワイン造りとありますが、地球温暖化にはどんな対策を打っていますか。
地球温暖化の問題は、ワイン業界の抱える大きな問題の1つだ。だが、われわれは世界でも最先端の環境保護のノウハウを持っている。現在、ナパでは地球温暖化問題でノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア氏の専門チームのメンバーに協力してもらい、ナパ全体の気温の変化など、さまざまな問題の解決について一緒に取り組んでいる。
幸運なことに、カリフォルニア自体は気温が上昇しているが、太平洋のさまざまな影響でナパ・ヴァレーの気温は安定している。そのため、カリフォルニアワイン全体では、中長期的に地球温暖化の影響は免れないが、実はナパはカリフォルニアワインにおける生産規模が小さいので、影響はあまりない。ただ、今後も品質と環境保護の維持を両立するため、ナパはブドウだけでなくそれ以外の、ワイン造りに必要な土地や環境にも厳しい目を向けていく。
NVVに加盟しているワイナリーの多くも、環境保護のボランティアに積極的に参加している。現在、ナパ全体のワイナリーの半分がNVVに加盟しているが、今後はワイナリーの100%加盟を目指し、世界で一番厳しいワイン造りのルールをナパ全体で維持し続けるつもりだ。

(Photo:Jason Tinacci/NVV)