気軽に「退職代行を使う人」が知らない残酷な現実 「便利」「ずるい」でなく、気になるのは「危うさ」
まず退職代行サービスを利用する人の主な退職理由からあげていきましょう。
最も多いと言われているのが、人間関係、仕事内容、待遇の3つ。
人間関係は「上司や同僚と合わない」「ハラスメントを受けた」、仕事内容は「希望の部署ではなかった」「やりたい仕事ではなかった」、待遇は「給与が低かった」「残業が多く休日が少なかった」などの理由が退職代行サービスを利用する理由として語られているほか、悩み相談のコンサルをしている私のもとにも同様の声が届いています。
このように退職理由が「思っていたものと違った」「聞いていたものと違う」という不満にもとづくものだからこそ、勤務先への嫌悪感がある。あるいは、上司に打ち明けて口論になることを避けるために、退職代行サービスを利用するのでしょう。
その他でも、「上司に言いづらい」「辞めさせてもらえない」「説得されるくだりが無駄」なども退職代行サービスを利用する理由。逆に上司や同僚としても、急に辞められることに対するネガティブな感情はあっても、「退職代行サービスを使ってもらうほうが気楽でいい」という人もいるようです。
しかし、入社から日が浅い人は、まだキャリアにつなげられるほどのスキルや経験を得られておらず、「転職のカードが少ない」という状態での就職活動を余儀なくされるのがつらいところ。また、自分が「入りたい」と思うような企業は新卒中心の採用で、「募集があるのは同じように誰かが早々に辞めた企業になりやすい」という現実があります。
“売り手市場”という言葉に惑わされず、自分の市場価値を冷静に見極められているか。退職代行サービスが手軽に使えるものだからこそ、退職の時期を選ぶ判断力や、それに向けた準備力が問われているのです。
世間は狭く同業種はつながっている
さらに問題なのは、「就職活動のときに退職代行サービスを利用したことが知られてしまう」というケースがあること。つまり、その後のキャリアに影響を及ぼすかもしれないのです。
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