「当時の各都道府県の受験生のレベルを考慮すると、肌感覚的には国家一種試験は東大・京大クラスが合格を争う試験で、地方上級はGMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)・関関同立あたりのレベル感なので県庁のほうがだいぶやさしいと言われています。でも、私が受けた県庁は志望者が多い難関で、『国家二種よりも難しい』とも言われていたので、一般教養試験・専門試験といった試験科目も変わらないし、長く勉強を続けているから、受かるかもしれないと思って一種を受けようと思いました」
面接で落ちたのが自身の能力ではなく、外的要因であることも考慮した、この判断は、彼の人生に大きな影響をもたらします。
「3浪目のスケジュールとしては、2浪目までとそんなに変わりません。ただ、さまざまな分野の参考書に加えて国家一種10年分、地方上級の過去問5年分をしっかりやりました。『日本史の分野でも現代史は出ない』というように、過去問をたくさん解くと、試験に出やすいポイントがわかってくるのがよかったですね。
2浪のときと同様に、模試もちゃんと受けてそのたびに成績がよくなるのを確認していました。1浪目では3割取るのも難しかった教養試験でしたが、最後のほうは半分程度は取れるようになりましたし、専門科目も7割程度取れるようになったので、同じ調子が本番で出せれば合格できるかもしれないと思いました」
母校で初めて国家一種試験に合格
幸い本番でも力も出し切れた彼は、県庁こそ、またしても面接で落ちてしまったものの、3浪で国家一種試験に合格し、省庁に勤務することが決まりました。
まさに思いもしなかった合格のようで、母校の就職課に聞いたところ、最終学歴が京都産業大学で国家一種(行政職)に合格した人はKenjiさんが初めてだったそうです。「公務員にならないと生きていけないと思っていたから頑張れた」と語るKenjiさんは、次のように続けました。
「長く勉強した結果が、このような形で表れてよかったですね。高級官僚や一流大学の出身者に対して、劣等感を持たなくなったので、自信を持って人生を送れるようになりました。その点で、3浪して、公務員試験の勉強をし続けてよかったと思います」
省庁に入ってからのKenjiさんは、大学院に行ける制度を知り、横浜国立大学の大学院・国際経済法学研究科修士課程を受験して合格を掴みました。Kenjiさんは、「院試でさらに2浪したので合計5浪です(笑)」と語ります。
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