ロールス・ロイス初BEV「スペクター」にある安心感 BEVになっても変わらない信念と乗り味だった

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スペクターのサイドビュー
スペクターのサイドビュー(写真:三木宏章)

ちなみにスペクターの日本における価格は4800万円からだが、そこから追加料金を支払うビスポーク(≒細やかな注文装備)として、ユーザーだけのオリジナルモデルを創り上げる購入者が多いという。スペクターでは、ロールス・ロイスとしてはじめてデジタル領域までビスポークを拡げ、たとえばTFT液晶画面の文字盤色を、車内外のカラーリングとマッチさせることも可能になった。

ロールス・ロイスは世界屈指のブランドだが、驕り高ぶるところがないとも称される。たしかに本国発信のプレスリリースを読んでも数字だけで誇張することはなく、実現している世界観の裏付けを、最小限の数字で補足するというスタンスが貫かれている。

スペクターの運転席に乗り込む

通常のドアとは逆に開く、エアフォートレス・ドア
通常のドアとは逆に開く、エフォートレス・ドア(写真:三木宏章)

「エフォートレス・ドア」と名付けられたコーチドアは、2ドアモデルのスペクターの場合、通常のドアとは逆の位置にヒンジ式がくるので、ドアはご覧のように開閉する。アルミ製のドア長は約1.5mあるため開閉場所には注意する必要があるが、開け閉めそのものは電動アシスト機能があるため操作性は高い。

車外からはドアノブを引くとアシストが働いて乗り込むのに必要なぶんだけ開く。前側が開くので足から車内に入るより、乗り込む直前できびすを返して腰から車内へと滑り込ませるほうがスマートだ。着座したらブレーキペダルを踏むか、センターコンソールにあるボタン操作でドアは電動で閉められる。外からはドアノブのボタンを押すと自動で閉まるが、ノブを持って閉めることも可能。その際も電動アシスト機能が入るので操作力は軽くて済む。

ロールス・ロイスの特徴とも言えるパワーリザーブメーター
ロールス・ロイスの特徴とも言えるパワーリザーブメーター(写真:三木宏章)

パワースイッチをオンにしてDレンジへ。駐車場から公道に出るまでは10km/h以下でしずしずと走らせてみる。わずか10km/hだがすでにこの時点で立派なロールス・ロイスであることが体感できた。パワーリザーブメーターはアクセルペダルを踏み込むと数値が100%から下がっていくが、こうしてスルリと走らせるには5%も必要としない。

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