セキュリティー専業GSX、年25%成長を支える戦略 出資・提携やファンド創設の狙いを社長が語る
――GSXの強みはどのようなところにあるのでしょうか。
当社は、セキュリティーの体制が十分かどうか対策を支援する「コンサルティング」、ネットワークやWebサイトなどでサイバー攻撃に脆弱なところはないかを調べる「脆弱性診断」といった、セキュリティーサービスを提供している。
セキュリティーサービス業界で有名なのは、野村総合研究所の子会社であるNRIセキュアテクノロジーズ、ラックなどだろう。
こうした会社は、脆弱性診断や非常に専門的な内容のコンサルティング、SOC(セキュリティー・オペレーション・センター、24時間体制でサイバー攻撃を監視するサービス)などを提供することで、工程数を決めて、それに応じた人員を配置し、対価をもらうという事業を行っている。サービスの提供先は大企業となる。
準大手、中堅、中小が顧客企業
大企業のセキュリティー予算は大きい。ただし、企業の数はすぐには増えないし、セキュリティー対策をすでに行っているため、予算も急に増えることはない。また、最近ではアクセンチュアやPwC、EYといった外資系のコンサルティング会社も参入しており、競争が激しくなっている。
一方、当社は準大手、中堅、中小企業をターゲットにサービスを提供している。大企業ではない規模の企業のセキュリティー対策はこれまで十分ではなかった。だが、最近になって対策を行う理由が出てきた。
たとえば、サイバー攻撃を受けて業務が止まったら、復旧させるために、お金をかけてでも緊急対応サービスを利用せざるを得ない。また自動車業界では日本自動車工業会が、医療系で厚生労働省が、金融系では金融庁が、それぞれサイバーセキュリティーのガイドラインを出している。
大手企業以外も、予算をかけてガイドラインに準拠しなければならない、という状況になっている。
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