セキュリティー専業GSX、年25%成長を支える戦略 出資・提携やファンド創設の狙いを社長が語る

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当社の場合、コンサルでは一部をテンプレート化するなど共通化している。脆弱性診断では診断ツールとエンジニアによる手動の分析を組み合わせたハイブリッド型で行うなどしている。それらによって、どちらも人員や納期を抑えている。

大企業では当社のサービスに満足できないだろうが、準大手から中堅、中小には十分な内容となっている。価格も大手に対して、半分ぐらいの水準で提供している。

サイバーセキュリティー教育も強みだ。コロナ禍でさまざまな企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に舵を切る中で、IT企業にとっても、開発しているインフラやアプリに、セキュリティー対策を盛り込むことが必須となった。そこで、こうしたIT企業のエンジニア向けにセキュリティートレーニングを行う、教育事業を展開している。

ミックスモデルで粗利を上げる

――業績が伸び悩むサイバーセキュリティー企業が少なくない中、GSXの売上高成長率は突出しています。

コンサルや脆弱性診断などは、どんなに頑張っても粗利率が30~40%にしかならない。しかし、教育事業に関しては当社がコンテンツを作って提供しているので、50~60%に達することもある。

そのため、たとえば緊急対応サービスを入り口に、コンサルでアップセルするとか、複数サービスでクロスセルするなど、顧客単価を引き上げることが可能だ。

当社は、セキュリティー製品の導入支援や運用のセキュリティーソリューション、セキュリティー人材を派遣するSES(システムエンジニアリングサービス)などを行うITソリューションといった、いずれもセキュリティーに関連した事業を手がけている。

そこに採算のよい教育が加わると、粗利率がぐんと跳ね上がる。そういうミックスモデルを展開している。

――GSXは、セキュリティー製品を販売している網屋(4258)に4%出資し、同じくセキュリティーサービスを提供するブロードバンドセキュリティ(4398)に22%出資するなど、提携戦略を活発化しています。

提携は、販路拡大、事業領域の拡大、リソースの拡大、サービスラインナップの拡充という4つの領域で考えている。サービスラインナップを拡充し、(顧客単価を引き上げる)アップセルができる商材を狙ったのが網屋への出資だ。

網屋の主力製品で、ログを管理する「ALog(エーログ)」は非常に優れた商品だ。市場には海外企業が提供するスプランクやエクサビームなどログを管理する製品があるが、いずれも大企業向けの価格設定となっている。エーログは当社が得意とする顧客層にちょうどよい価格帯のため、伸びが期待できる。
【5月9日11時31分追記】初出時の「ALog(エーログ)コンバーター」という表記を「ALog(エーログ)」と修正します

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