「ニュージーランドワイン」手がける日本人の挑戦 マーケや営業強化、幅広い層にアプローチ
それは、エイブル&パートナーズ代表の佐藤茂氏が手がけるシャトー・ワイマラマだ。「ワイマラマ」はニュージーランド先住民マオリ族の言葉で「水面に映る月明かり」を意味する。
佐藤氏はもともとワインが好きで、ボルドースタイルのワインを造りたいと考えていた。ニュージーランドにも興味をもっており、現地で収穫されるブドウが素晴らしいことから、ニュージーランドでワイン造りを始めたのだ。
葡萄畑はわずか4.5ヘクタールという大きさで、剪定や間引き、収穫に至るまですべて手作業で行っているのが特徴だ。
シャトー・ワイマラマが始動したのは1998年で、2023年11月には25周年を迎えた。日本では、高級ステーキの「ウルフギャングステーキ・ハウス」各店舗、西麻布「とり料理屋」、乃木坂の人気中華店「結」、銀座「TANAGOKORO THE BAR」などに提供している。
シャトー・ワイマラマは、「KIRARAKA(キララカ)」(1万8700円)、「MINAGIWA(ミナギワ)」(1万6500円)、「EMIGAO(エミガオ)」(1万8700円)が主力だ。最上級の「SSS」(5万5000円)や、ロゼの「vin rosé」(6380円)も販売している。
「SSS」は、2012年に2009ヴィンテージが「ニュージーランド・インターナショナル・ワインショー」でゴールドメダルを受賞。人気が高い一方で、生産量が少ないため、ワイマラマのオンラインショップでも購入できない幻のワインだ。
実際に飲んでもらう機会を増やす
シャトー・ワイマラマは、年間で約2万本のワインしか生産していない。これまでは法人向けギフトとして利用されることが多かった。
一方で、現在はマーケティングと営業に力を入れて、より幅広い層にリーチできるよう試みている。
シャトー・ワイマラマは、ワイナリーから販売まで一気通貫しているブティックワイナリーであり、直営業でしか販売していない。大量生産・大量消費されるワインではないが、より多くのレストランでの提供や、イベント開催を考えているという。
「ワインの質も高くなっています。オンライン販売を強化したり、多くのレストランでもお取り扱いいただいたりして、これからはもっと幅広い消費者のみなさまにシャトー・ワイマラマのワインを届けたいと考えています。コロナ前に開催していたサロンを再開したり、イベントを企画したりもしたいですね」(ワイマラマジャパンの神長崇子社長)
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