【産業天気図・損害保険】金利先高期待が強まれば2極化一段進む。チャネルの多様化もカギ

上場保険会社8社の2005年4~12月期の業績は、主力の自動車保険で正味収入保険料が、ミレアホールディングス<8766.東証>、損保ジャパン<8755.東証>、三井住友海上火災保険<8752.東証>、あいおい損害保険<8761.東証>の上位4社で増収に転じるなど「2極化」の様相を強めている。
 自動車保険は無事故割引の進行から保険料単価の下落が続いていたが、上位社から契約件数の増加が浸透してきている格好だ。正味収入保険料全体では、上位4社に火災保険を伸ばしたニッセイ同和損害保険<8759.東証>を加えた5社が増収を確保。一方、日本興亜損害保険<8754.東証>、富士火災海上保険<8763.東証>、日新火災海上保険<8757.東証>は依然減収が続いている。利益面では、上陸台風が観測史上最多の10個に達し、集中豪雨など自然災害が多発したことで収益を圧迫された前期に対し、今期は自然災害保険金が平準化する結果、全社で改善する。が、今後は、財務面の違いも企業間格差を広げそうだ。
 すでに自然災害に備える異常危険準備金については、戦後最大の被害をもたらした伊勢湾台風規模の被害に対応できる準備金を積むことが求められるようになったが、さらに来期からは未払い保険金の繰り入れである支払備金の繰り入れ基準の高精度化が検討されている。ここではミレアとニッセイ同和の財務基盤の厚さが目立つ。財務基盤の厚さは、保険引受と並ぶ重要な事業の柱である資産運用の巧拙にもつながる。今後、金利先高期待が強まれば、さらに注目を集めるだろう。
 損保業界は国内市場が成熟化しつつある中、07年12月には銀行窓販の全面解禁を迎える。医療保険など第3分野や生保子会社の育成、海外展開では、現状ミレア、損保ジャパン、三井住友海上が先行し、トヨタ自動車<7203.東証>、日本生命保険(非上場)と、それぞれ連携を深めるあいおいとニッセイ同和が続いているが、「さらに販売チャネルの多様化がもう一段の業界再編を促す引き金になる」と予想する見方が増えている。
【岡本亨記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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