サウンドバーはホームオーディオのデザインからインスピレーションを受けたそうだが、スピーカーをひとつの部品にまとめ、ドアではなくボディ側に置くことで、配線や材料の量を減らし、リサイクルを容易にするという目的もあるという。パワーウインドウのスイッチをセンターコンソールに集約したことも、同じ理由とのことだ。
おかげでドアトリムはすっきりしていて、フローティングタイプのアームレスト兼グリップや大きなドアポケットなど、それを生かした造形となった。アームレストに内蔵され、先端を押すとゆっくりせり出すカップホルダーの使いやすさも印象的だ。
その下のトレイはリッドの付いた2段式になっていて、スマートフォンの非接触充電は、奥のホルダーに差し込んで立て掛けて行うタイプ。このあたりのデザインやタッチも五感に心地よく、IKEAやエレクトロラックスなど、同じスウェーデンの製品に共通するものを感じた。
サウンドに合わせて「揺らぐ」アンビエントライト
アンビエントテーマにも触れておきたい。
センターディスプレイで5種類のイルミネーションが選べるところは他車でもおなじみだが、それに合わせたヒーリングミュージックも用意され、サウンドに合わせて光が揺らいでいく。ボルボらしい演出だと思った。
インテリアカラーは、ブリーズとミストの2タイプの設定があり、いずれもシート素材やデコラティブパネルにはリサイクル素材を使用している。
試乗車が採用していたブリーズでは、シートのファブリックはピクセル風で、パネルは同系色のフレークをまぶしており、無味乾燥にしないという配慮に感心した。
スペースはボディサイズ相応で、後席にも身長170cmの筆者が楽に座れる。床下には駆動用バッテリーが敷き詰められているが、フロアの高さは感じない。シートの座り心地はボルボらしい、体を優しく受け止めてくれるタイプだ。
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