目に余る「エイハラ」ベテラン差別する3つの元凶 「年齢」よりも見るべきメンバー選びの判断軸
いっぽうで、私と同世代の50代でも、とても「経験豊か」とは言えないビジネスパーソンもいる。得意な作業には熱心だが、経営や組織に関して真剣に向き合ったことがない。だから部長とか課長という肩書を持っていても「経験」が足りない。「体験」だけで終わらせてきたという人たちだ。
単に社歴が長い人ではなく、しっかりと経験を積んだ人がいればプロジェクトは失敗することはなかっただろう。
エイハラと多様性について
ダイバーシティ(多様性)には2通りの分け方がある。
年齢、性別、人種など、外から見てわかりやすい「表層的ダイバーシティ」と、価値観やパーソナリティなど外からは分けるのが難しい「深層的なダイバーシティ」の2種類だ。
「エイハラ」は年齢で分断してしまうことで生じるハラスメントだ。年齢だけではない。性別や人種、肩書はもちろんのこと、考え方や価値観が異なっても、公平に機会を与えるべきだ。
ただ、適任かどうかは公正に評価すべきである。
「機会は公平に、評価は公正に」
である。経験豊かなメンバーを集めたら、30代前後の男性社員ばかりになったとしても仕方がない。斬新なアイデアを出せるメンバーを集めたら、50代前後の高卒社員ばかりになった、としても仕方がない。
若い人を集めたから問題かというと、そうでもないし、その逆も然りだ。メンバーに偏りがあっても、公正であればいいのである。この企業も、前提と根拠を明確にしたうえで、「年齢」だけでなく「知識」や「経験」などを基準にした公正なメンバー選びを心がけたら、このような結果にならなかっただろう。
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